第 44 回機器分析講習会

第 2 コ−ス :有機分析の基礎と実際

有機工業材料,機能性材料,環境試料,生体試料や医薬品に含まれる有機成分分析において生ずる困難な問題は,予期せぬ未知有機成分が検出され,その化学構造を決定しなければならない場合である。一般的には,未知化合物を濃縮・単離・精製し,元素分析,官能基分析,質量分析,核磁気共鳴吸収法等によって化学構造を決定する。解析するに当たっては,化学構造決定の全体の流れを習熟した上で,必要かつ十分な情報を入手することが重要である。

本講習会では,有機化合物の化学構造同定技術を概説した後,各種装置を用い測定と解析実習を行い,理解を深める。

会 期

7 月 2 日(水)〜 4 日(金)

会 場

(株) パーキンエルマージャパン〔横浜市西区北幸2-8-4,横浜西口KNビル12階

電話:045-314-8381,交通:JR「横浜」駅西口下車10分〕

案内図 http://www.perkinelmer.co.jp/corp/map.html

日 程

第 1 日<講義>10 時〜 17時

第 2 日・第 3 日<実習> 9 時 30 分〜 17 時

講 義
  1. 有機分析概論

    (東京大学院新領域創成科学)澤田嗣郎

    有機分析の手順,化学構造同定技術について概説する。対象化合物の濃縮・精製・単離,元素組成の決定,赤外分光(IR),質量分析(MS),核磁気共鳴(NMR)などから構造解析する一連の手順と問題点を述べる。分離分析法と同定手法の特徴,及び各種機器との組合せを比較し,有用性と限界にも触れる。

  2. 各論 1:前処理・精製法

    (東京理科大学薬学部)中村 洋

    試料から目的成分を単離・精製する技術を概説する。特に前処理における留意点,低分子化合物と高分子化合物の前処理法の相違などについて述べる。

  3. 各論 2:IR

    (早稲田大学理工学部)古川行夫

    IR法の原理,スペクトルによる物質同定を概説し,測定上の注意点,各種測定法を述べ,応用例についても触れる。

  4. 各論 3:MS

    (横浜市立大学理学部)高山光男

    MS法の原理,イオン化法,分析部の特徴,試料の導入(GC,LC),スペクトルから得られる情報について述べる。

  5. 各論 4:NMR

    ((株)ブリヂストン)加藤信子

    NMR法の原理,スペクトルから得られる情報を概説し,各種測定法による構造解析技術について述べる。

実習内容及び講師・指導員
  1. IRの測定と解析

    ((株)住友分析センター)藤原 豊

    1. フーリエ変換赤外分光分析(FTIR)
         スペクトルの測定と読み方

    2. IRイメージング
         微小部位の物質に関するケミカル情報の瞬時なイメージング 

  2. GC/MSによる測定と解析

    ((株)東レリサーチセンター)塩崎卓哉

    1. サンプリングから測定までの実際
        ヘッドスペースサンプラー、サーマルディソープションシステムを用いての実試料の測定と解析

    2. 質量測定の実際
         測定条件の設定,測定,スペクトルの解析

  3. NMRによる有機化合物の構造決定のためのデータ解析と演習

    ((株)東レリサーチセンター)川口 謙

    1. スペクトルの解析

    2. 構造解析演習

  4. 熱分析の測定と実際

    ((株)パーキンエルマージャパン)辻井哲也

    1. 高速制御と正確な熱量測定による高分子化合物のキャラクタリゼーション

〈機器提供〉 ((株)パーキンエルマージャパン)

受講料

(テキスト代,昼食代を含む) 会員(共催学会会員を含む)45,000円,会員外50,000円。講義のみ:会員20,000円,会員外25,000円。参加費の払い戻しは致しませんので,あらかじめご了承ください。

募集人員

40名 講義のみも可(定員になりしだい締め切ります)

申込方法

申込書 (ワード形式PDF 形式) をFAX,またはEメールにてお申し込みください。折り返し請求書,振込依頼書及び会場案内図等をお送りします。

申込先

〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号 社団法人 日本分析化学会 関東支部講習会係 〔電話:03-3490-3351,FAX:03-3490-3572,Eメール:ktanaka@jsac.or.jp〕